お知らせ:持続可能な観光ガイドラインのチェックリストを作りました。ダウンロードして使えますので自己分析などにご活用ください

2022年 持続可能な観光に関する日本の事例  

GSTC認証団体のグリーン・ディスティネーションズによる、世界の持続可能な観光地トップ100選(Green Destinations TOP100)に、2022年は日本から下記の10の地域が選ばれています。

  • 熊本県阿蘇市
  • 岩手県釜石市
  • 栃木県那須塩原市
  • 香川県小豆島町
  • 岐阜県下呂温泉町
  • 神奈川県箱根町
  • 宮城県東松島市
  • 愛知県南知多町
  • 熊本県小国町
  • 愛媛県大洲市

この記事ではこれら10の地域について、持続可能な観光(サステナブルツーリズム)の日本の事例として紹介します。

熊本県阿蘇市

熊本県の阿蘇地域の「千年草原」と呼ばれる広大な草原を自然観光資源とし、その収益を環境保全に役立てる循環を作っています。
日本政府観光局(JNTO)のこちらの記事「観光ビジネスと自然保護を両立させる「サステナブル・ツーリズム」の取組」で詳しく紹介されています。

岩手県釜石市

震災からの復興を目指す中で地域の宝を探していた釜石市では、エリア全体を「生きた博物館」に見立てる構想をたて、サステイナブルツーリズムを施策の柱のひとつに掲げています。
日本政府観光局(JNTO)のこちらの記事「釜石オープン・フィールド・ミュージアムにおけるサステイナブルツーリズムの取り組み」で詳しく紹介されています。

栃木県那須塩原市

那須塩原市の人気の観光スポットである木の俣公園では、オーバーツーリズム(観光公害)が問題となっており、これらの対策などが評価されています。

香川県小豆島町

オリーブ公園を観光地として整備したことや、オリーブの葉を家畜の飼料や堆肥に使うなどの持続可能な循環農業にも挑戦している点が評価されています。

岐阜県下呂温泉町

下呂温泉町は人口減少と観光客減少が課題となっていましたがエコツーリズムを活用して自然環境を守りながら観光客を増やすという方法をとり、 “E-DMO”と呼ばれるDMOによるデジタル戦略を活用したことが評価されました。
日本政府観光局(JNTO)のこちらの記事「古湯・下呂温泉がエコツーリズム+データマーケティングでバージョンアップ(JNTO)」で詳しく紹介されています。

神奈川県箱根町

箱根町では、町の魅力を伝える案内が不足していたため、地元の経験豊かな山岳ガイドが中心となり、地元の関係者と協力して、箱根ガイド養成プロジェクトを立ち上げました。また、プロジェクトを通じて、持続可能な観光を増やし、混雑問題を緩和することができたことが評価されました。

宮城県東松島市

東松島市は、震災で観光資源を失いましたが、自然だけでなく、地域や文化と観光客をつなぐトレイルを構想し「奥松島オルレ・トレイル」がつくられました。このトレイルは、沿線にある文化的・歴史的な観光スポットをすべて紹介するように設計されており、地域全体の協力のもとに東松島市のシンボルとなっていることが評価されました。

愛知県南知多町

南知多町では海岸の汚染が問題となっていましたが、清掃活動と啓発活動に取り組んできました。その結果、廃棄物排出量の削減、生ごみの減量化、ごみの分別率が向上するなどの成果があがっています。

熊本県小国町

小国町ではオーバーツーリズムの問題がありましたが、事前予約システムの整備により観光客の数がコントロールされました。その結果、鍋ヶ滝周辺の交通渋滞が解消され、周辺の住民の生活環境が改善しました。さらに、安全な環境の提供は鍋ヶ滝への訪問者数を増加につながりました。

愛媛県大洲市

大州市では人口減少により多くの観光遺産などが放棄されており、400年以上にわたって人が住んできた大洲は消滅の危機に瀕していました。そこで、地元のDMOが家屋の改修や観光振興を手がけ、街全体に「点在」するホテル、コワーキングスペース、書店や公共スペースを、住民や観光客が利用できるようになりました。

日本版持続可能な観光ガイドライン

 観光地向けに開発された指標GSTC−Dは、4つの分野、合計38の大項目・174の小項目が設定されています。 日本版持続可能な観光ガイドライン(JSTS-D)にはそれぞれの項目について参考となる資料や事例が数多く掲載されていますので、参考にしてみてください。

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